やっぱりレイジとイツキは凄かった。
あれだけ混んでいた廊下が、二人と一緒に歩いているだけで自然と道ができて行く。
三人分通れるだけの道ができて行く。
「そういえばレイ君、ホストやらないの?」
そういえばレイジは制服姿のままだ。
当たり前みたいに制服だ。
「やるわけねぇだろ」
「え!見たかったのに!」
「やらないの?」とまでは言えなかった。というより言う前にレイジが珍しく先に声を出した。
「見てぇのか?」
少し驚いたような、レイジにしては珍しい表情にヤバイ事を言ってしまったのかと思う。
「み、見たい…かな…?」
だってきっと似合う、レイジのスーツ姿。きっと全校生徒が見たいに違いない。
「かなってなんだよ、しかもなんで疑問形」
「レイ君ホストやりなよ!あーちゃんが見たいって言ってるんだよ!」
でもまって、レイジがホストをやったらきっととんでもない事になる。
ただでさえ人が群がってるのに、女の子達がキャーキャー言いながらレイジを見ているのに、スーツなんか着たらきっととんでもない事になる!
そう考えるとなんだかムカムカとした気持ちになった。
女の子にキャーキャー言われてるのなんていつもの事なのに、いかにレイジがステキでかっこいいかなんて、しょっちゅう耳にしているのに
これ以上女の子達にキャーキャー言われているレイジを見たくない。



