ナンパ男は「ひっ」だか「ぎゃっ」だか声を上げて逃げて行ったけど、
レイジは本当は凄い怒っていたみたいで「ふざけんなあのクソ男」なんて言っている。
「あの、ごめんなさい…」
「行くぞ」
隣を歩くレイジをそっと見上げる。
やっぱり金髪といえばレイジだ。
綺麗なレイジの金髪はキラキラと光に反射している。
「あー!まってまって!俺も行く!」
どこにいたのか、さっきイタズラそうに笑っていたイツキはなおも楽しそうに笑っている。
さっきの状況はイツキの仕業だ。
レイジが近くに来ているって知っていて、ナンパ男から私を助けなかったのも、きっとイツキの作戦だったに違いない。
レイジが今年学園祭に出た理由を、
私を守るために出たってことを教えてくれるために。



