ブラックⅠ-出会い-




「今年はあーちゃんの為に出たんだろうね!」




え?私の為?



「私のために?」




「だって一般の客が入ってくる学園祭なんて危ないからさ、あーちゃんを1人には出来ないんだよ!」



「危ないの?」




「敵が乗り込んで来たりする可能性もゼロじゃないしね!」



「なるほど…」



「でもまぁ1番はこれじゃない?」




そういってイツキは私から離れていく。




その瞬間



「ねぇねぇお姉さん1人?まぢ可愛い!めっちゃ可愛い!アドレス交換しない?むしろデートしない?」




レイジと同じ金髪頭なのに、それはなんだかレイジと違って嫌な印象を与える。




「俺運命感じちゃった!本当君可愛すぎだよ!名前なにちゃん?」




耳には無数のピアス、ジャラジャラと付けられたアクセサリー。



多分これってナンパなんだと思う。
イツキ助けて!って思ってイツキを見るけどその顔はどこか楽し気で、何故が中指を口の前で一本立てた。



え?なに?どういうこと?

黙ってろって意味?




挙句の果てに男は私の肩を抱き寄せたりなんかしてきて、



その勢いで「きゃっ」思わずバランスを崩す