ブラックⅠ-出会い-



学園祭が始まるとやっぱりイツキは人気者で、他のクラスの生徒や他校の生徒達までもがイツキに声をかけたり写メを撮ったりと大忙しだった。




それに便乗してか、何故か私に声をかけて来る人もいて王者のようなイツキと違ってそういうのに慣れてない私は作り笑顔をするのに必死だった。





「あ!噂をすればあれレイ君達じゃない?」




看板をもってプラプラと歩いていたイツキが見る方向は窓の外。




そこから見えるのは明らかに不自然な人集りの山。





ーーーーーーそして、その中心には金髪頭。





あれは、間違いなくレイジだ。





「やっぱすごいねぇ、去年出なかったのも納得」




人集りの中心にいるレイジ。その周りは不思議な事に一メートルほどの空間を開けてレイジを囲っている。



きっと近寄れないんだと思う。それ以上は近寄れないそんなオーラがあるんだと思う。




でもレイジはそんなこと眼中に入ってないかのように堂々と歩いている。