そしてあの格好とやらをしない訳にはいかない。



「なに、レイジヤキモチ妬いてるの?」




ほんの冗談のつもりだった。
本当に冗談のつもりだった。




だけど隣にいるレイジを見上げると、その顔はとても冗談なんかに見えなくて




「あぁ」



細くつり上がった眉に、鋭い瞳
形の良い唇に、綺麗な金の髪。



あぁ、なんて絵になる男なんだろうと思わず見惚れずにはいられなかった。



そしてそれよりもワンテンポ遅く自分の顔がカッと赤くなっていくのが分かる。



「親があんなんだから、好きとかって良くわかんねぇって思ってた」



親があんなんだから、レイジの親がどんなのかは分からないけど、レイジの言いたい意味は何と無く分かる。



「愛人の子」そういう存在として自分が生まれてきたってことを意味してるんだと思う。



「一生そんなもん分かんねぇだろうって思ってたし、分かりたくねぇとも思ってた」



いつも無口なレイジ。
面倒くさそうに話すレイジ。

でも今日は何だか違っていた、ポツポツと何かを伝えるようにゆっくりと話してくれる。





「けど、」



「……………」



「お前の事は、大事にしてぇって思う」



ドクンと心臓が大きな音をあげて、身体中の血液が加速していく。



「そばにいてぇって思う」



「……………」




「守ってやりてぇって思う」