ブラックⅠ-出会い-




思わず笑が込み上げてくる。


さっきまでここに来ちゃダメだと思って落ち込んでいたいた私。



だけど今のレイジの発言でなんだかそんなの吹っ飛んだ。




「私、レイジに会いに来たの」



「おう」



「文化祭の準備しててもレイジの事考えちゃうくらい、なんでか会いたくなって」




「あぁ」




「だから来た。こんな時間に勝手に来てごめんなさい。これからはしないから」




レイジが昨日あんな事を言ったからから来たわけじゃない。
私自身が会いたいから来たんだと。
レイジに伝えたかった。



そんな私に、レイジはやっぱりどこか困ったような照れてるような顔をしてたけど




「明日から学園祭の準備が終わったら連絡しろ、俺が迎えに行く」




素直になるって難しい。

色んな誤解や勘違いがうまれてごちゃごちゃする中、どれだけ自分の素直な気持ちを相手に伝える事が出来るんだろう。




自分が思っている事のどれだけを相手に伝える事が出来るんだろう。




それって未知数だ。



どれだけ好き合ってる恋人でも、
どれだけ仲のいい友人でも
どれだけ長年連れそってる夫婦でも




きっとそれは未知数だ。