なんでこんなにモヤモヤするんだろう。
なんでこんなに寂しい気持ちになるんだろう。
そんな事を考えながらレイジの少し後ろをとぼとぼとゆっくり歩いた。
「なぁ」
バイクが置いてある方へ向かって歩いているところを見るとどうやら今日はもうレイジも帰るらしい。
「お前さ」
外にいた皆がレイジに頭を下げた後、私に手を振ってくれる。
とぼとぼと歩いていた私にレイジの声はずいぶんと遠くから聞こえてるような気がして
「俺に会いに来たんだろ」
その言葉に思わず足を止めた。
目を見開く私に、レイジは振り返ってこちらを視界へと入れる。
「俺が昨日あんな事言ったからか?」
いきなり足を止めた私達をメンバー達は「なんだなんだ?」なんて言いながらこっちを見ているのが分かる。
「わりぃ、そういう意味で言ったんじゃねぇ」
レイジの言うそういう意味がわからない。
こんな時間にわざわざ来なくて良かったのに。って意味なのかもしれない。
「別にお前が友達作ることに不満なんじゃねぇ」
でもどうやらそれは違うらしく、
一歩、また一歩と私に近付いてくる。
「まぁあれだよ」
「…………」
「独占欲」



