「レイジは準備しないの?」
結局レイジは何をやるんだろう。
この前分かんないっていってたけど、さすがに準備が始まったんだから何やるかくらいは知ってるはず。
「やらねぇ」
当たり前みたいに答えるレイジに
「なんで?」
当たり前に聞き返す私。
「俺がいたら気をつかう」
「え?」
「そんなのつまんねぇだろ」
「つまんねぇ」きっとこれは自分がじゃない、クラスの皆がって意味だ。
私は知ってる、レイジがクラスメイトと話さないこと。学校では話さないこと。
それはレイジが話さないんじゃない、皆が話かけないんだ。
レイジは独特な雰囲気がある。
王者のような、王様のような。
そんなオーラがある。
話しかけにくいというより、憧れてやまないから話しかけるのが恐れ多い、きっと皆そう思ってる。



