ブラックⅠ-出会い-




「レイジは準備しないの?」




結局レイジは何をやるんだろう。
この前分かんないっていってたけど、さすがに準備が始まったんだから何やるかくらいは知ってるはず。




「やらねぇ」



当たり前みたいに答えるレイジに




「なんで?」




当たり前に聞き返す私。




「俺がいたら気をつかう」



「え?」




「そんなのつまんねぇだろ」




「つまんねぇ」きっとこれは自分がじゃない、クラスの皆がって意味だ。



私は知ってる、レイジがクラスメイトと話さないこと。学校では話さないこと。




それはレイジが話さないんじゃない、皆が話かけないんだ。




レイジは独特な雰囲気がある。
王者のような、王様のような。


そんなオーラがある。
話しかけにくいというより、憧れてやまないから話しかけるのが恐れ多い、きっと皆そう思ってる。