「出かけるの?」



レイジが持っているペットボトルを取り上げると、小さく睨まれたけどそのまま手渡してくれる。



「違げぇよ、今帰ってきた」




朝まで倉庫にいたらしいレイジは一体何をやってたんだろうかと思う。
悪い事でもしてたんじゃないだろうかと。



「そっか、ほどほどにね」




私の言葉に「ほっとけ」なんて憎たらしい言葉を吐き出すレイジは、私の横を通り過ぎようとして




「おい」



ふと足を止めた。




「うわっ」




掴まれた腕。引き寄せられた身体。
何故か顔を近付けてくるレイジ。



ベットボトルの方を掴まれたもんだから中身がこぼれるんじゃないかと一瞬体が小さく揺れたけどそれもすぐに収まって、




「おまえ…」そう言って私を見つめるレイジの顔は何処か考えてるような表情だった。




「?」




「なに?」と呟くと「やっぱ、何でもねぇ」と言ってアッサリ腕を離した。




何だったんだろう。
何か言いたそうだったけど。