とくに何かを喋るんでもなく戻ってきたリュウガは、明るい電気を消してテレビ横に置いてあるオシャレなスタンドライトに灯りをつける。
薄暗くなった室内に「カチっ」とリュウガがタバコに火を付ける音が響いて、煙をゆっくり吐き出す呼吸音が聞こえてきた。
「眠くないのか?」
時刻は0時、ふだんならそろそろ寝る時間だ。
でも眠くない。
きっと寝れない。
雨の音が気になって…
「眠くない…」
そう言ってしたを向く私に、リュウガは「そうか」と小さく言うと煙草を消してこっちへと歩いてくる。
よく考えたら私って凄い迷惑極まりないんじゃないだろうか。
だってリュウガは仕事で疲れてるのにこんな部屋に居座って、私は明日休みだからいいけどリュウガはきっと朝から仕事だ。



