周りにはもちろん人っ子一人居るはずもなぐ、街灯すらあまりない。 光といえば、遠くから照らされている月明かりのみ。 今日は満月だ。 少し明かりが強いらしい……… 私は立ち止まって居た足を一歩前へと踏み出すと、地面へと向けていた顔を正面へと戻した。 “Black” そう書かれたゴールドプレートの看板は、この闇からは少し浮いた存在に見える。 だけどこの奇妙な場所が その名ほど相応しいトコロはきっとない。