今だって一人じゃない。 この家にはリュウガがいてレイジがいてアキさんがいる。 学校にいけばイツキやカエデだっている。 ブラストの皆だっている。 だけどダメだった。 どうしても。 「待って!行かないで!」 耳の遠くの方で聞こえる、 まるでさっきの事のように。 「嫌だ!置いて行かないで!」 今よりも少しばかり幼い私の声が。 雨の音が。 少し湿ったコンクリートの香りが。