次の日朝起きるとイツキからのメールが入っていて、「迎えにいく」という内容だった。



学校と家の距離はそこまでない。
歩いて行けるといったら行ける距離だと思う。



だけどレイジのバイクで行っていた通学路を私が分かるはずもなく、イツキには申し訳ないけど大人しく迎えに来てもらうことにした。




「あーちゃんおはよう」



裏口を出てすぐ、朝なのに元気いっぱいなイツキの声。



「おはよう、迎えに来てくれてありがとう」




「全然!早く乗って!」



イツキの跨がるのはオレンジ色の鮮やかなバイク。イツキに良く似合う。



黒いメットを私に手渡すと、エンジンを掛け直した。



「それにしても、レイ君ってあーちゃんにかなり優しいんだね」



「え?何で?」



「昨日わざわざ夜電話して来たんだよ。朝アオイを迎えに行ってくれって」