「うん、」




うなずく私にカエデは優しく微笑むとバイクのエンジンをかけた。



無理に聞こうとは思わない。


人をなかなか信じないらしいレイジ、
それはきっと私も同じだから。
彼の気持ちがほんの少し分かる気がする。そんな彼が、偽りとはいえ私を彼女にした。



だから私は待ちたいと思う。

レイジが話したいと思ってくれる時がくるまで。



そう思ってもらえるような存在に自分がなれるまで。




「だからアオイちゃん、あいつのことよろしくね?」



「うん」



私はレイジともっと仲良しになりたい。