お金を置いて扉に手をかけかレイジに、私は何も言えなくて、




「アオイちゃん、今日は俺が送るよ」




そのカエデの声が聞こえたころには、レイジのバイクの音が遠ざかって行くのがわかった。




「うん、ありがとう」




ハッキリ言って凄く気になる。
レイジはさっき誰と話していて、何処へ言ってしまったのか。



でもそれをカエデやイツキに聞いていいとは思えなくて、ただボーっとしている私の鞄をカエデが持って席から立ち上がる。



「行こうか」