「来い」 後ろを振り返れば、BARの扉の横にある階段に座っている金髪の男。 男は重たい腰をゆっくりと持ち上げると、鉄製の階段をカンカンと軽快な音を立てて登って行く。 私は言われたとうりゆっくりとその階段へと近付くと、一段目へと足をかけた。 ここを登れば、きっと何か変わると信じて。 楽園なんか無くて良いから、幸せになんてならなくていいから、 ただただ一つの願いを想って 階段を登った。