それから授業中ひたすら私に話しかけるイツキの話に時々くすくすと笑いながら一日の授業を終えた。
「あー腹へった」
校舎を出て四人で校門をくぐる。
どうやらイツキとカエデもレイジのバイクが止まっている駐車場に止めているらしく、朝来た道を歩く。
「あーちゃんは何食べる?俺のオススメは味噌だよ」
「え?」
イツキが何の話をしているのかさっぱりで、ポカーンとしているとバイクを止めたラーメン屋の扉をカエデがゆっくりと開けた。
ノレンには「ラーメン1番屋」と書かれている。
3人に続いてノレンをくぐり抜けると、中は古びたなんとも味のある店内が広がる。
木でできた少し低めのテーブルが五つにカウンター。
その奥には
「おっちゃん味噌ラーメン三つねー!」
「おい、勝手に人のメニュー決めるんじゃねーよ」
イツキの大きな声にレイジがかかさず声を上げる。
「だって俺のオススメは味噌だから!あーちゃんは味噌食べるよね?ね?」
「え?あ、うん」
そんなやりとりをしていると、聞こえてきた優しげな声。
「おいガキども静かにしろー」



