「まぁとにかく二人で上手いことやってくれよ」
やっぱりお兄さん的存在のカエデは最後に苦笑いをしながらそんなフォローを付け足す。
「アオイがヘマしなきゃ問題ねーよ」
「しないよ!」
少し大きな声を上げて睨みつける私をレイジは面白そうに見つめながら抱いていた腕を離すと校舎へと進んでいった。
ハッキリ言って付き合うとか恋人だとか恋とか愛とか経験が無いわけじゃない けれどまだ子供の私には良く分からない。郁也との付き合いはどう考えても普通じゃなかった。
そんな私がレイジと恋人のフリを出来るか不安で、あんな大きな声でヘマはしないと言った割に自信なんてこれっぽっちもなかったりする。
どちらかといえば不器用な私にきちんと恋人のフリが出来るなんて思ってない。



