王に愛された女





「オラシオン?どうかしたの?」

 ガブリエルは怖くなって恐る恐る尋ねた。

「…もうガブリエルも知っているだろうが、刻印の色が変わるということは、覚醒するということだ…」

 ガブリエルは、そのことを知らなかったが何も聞かなかった。

「……それってつまり、私の刻印が覚醒したってこと?」

「あぁ…―――しかも、二回目だ」

 妙な胸騒ぎがした。

 オラシオンの「二回目」の言い方が、なんとなく普通ではなかったのだ。

 なんというのだろう、何かとんでもないことを知ってしまったような、そんな言い方である。

「…二回目の覚醒をすると、何か悪いことがあるの?」

 ガブリエルは躊躇いがちに聞いた。

「いや。フリーゼル伯爵も、アリシアも二回覚醒している」

「え?」