長い坂を駆け上った頃には流石に息が切れていた。 彼にはもう未練はない。 「浮気するような男はいらない」 そう言った瞬間逆ギレしたのは彼の方だった。 追いかけてくるんじゃないかとヒヤヒヤして後ろを振り返る勇気もなかった。 馬鹿にするのもいい加減にしろって言うの。 まったく・・・イライラする。 こっちは真面目に本気だったのに。