…数十分後にはもぬけの殻。
男たちは呆気なく退散。
残ったのは私たちと壊れたものたち。
「羽音ちゃん大丈夫?!」
私をきつく抱き締めながら明海さんは泣いていた。
大丈夫なんだけど、大丈夫なんだけど…。
「く、苦しいです…」
「うわっ!!ごめんっ」
顔の前で両手を合わせて謝い体制に入った。
いやいや、謝らなくてもいいんだけど…ただ吃驚しただけだし。
「大丈夫ですよ、ありがとうございます」
そう言うと皆が安心したような表情になっていた。
「それにしても玲音どしたの?」
「…別に暇だったからきた」
「地下が恋しくなっ…」
「蹴り飛ばすぞ」
「ごめんなさい」
…あの明海さんが玲音に謝った?!
しかも、玲音の方が年下なのに…玲音何者?!

