君が残してくれたもの


殺気籠りすぎでしょ、それ。
そこまでして睨まなくてもいいのに。

「…俺が怖くねぇのかよ」

「分かりません。見た目は怖いでしょうけど…そっちよりチャラいですし」

「…はぁ…御前って奴は…」

呆れたような、そんな笑みと共に私の頭をポンポンと撫でる。

さっきとの対応の違いに鳥肌がたったのは内緒にしておこう。

「それでね、羽音ちゃんをここに――」

―ドガガァァアン!!

そんな音と共に現れたのは十数人の輩たち。
…明海さんの言葉の続きが気になるんですけど。

「誰?」

「俺たちの居場所を横取りすんじゃねーよ」