君が残してくれたもの


「もしもし?」

比較的小さい声で電話に出た瞬間、りっちゃん先生に睨まれたのは言うまでもない。

殺気を出して睨んでくるけど無視。

『羽音?俺だけど』

「…蒼空?久しぶり」

『ああ。学校はどうだ?』

「んー…悠希とか銀髪とか茶髪に囲まれてる」

『…ああ、悠希と紫恩と玲音か』

え、まって。
なんで蒼空が三人の事、知ってるわけ?

私…誰にも言ってないよ?
…実は、見えてるのかな…蒼空には見えてるのかな?!

『変な勘違いすんな。海音の家に行けばよく会ってたからな』

海音。
その単語を聞いて思い出したくもない…あの日のことが新明に思い出される。