君が残してくれたもの


「てめぇら四人居残り掃除」

短く、そして何よりも冷たく私たちに言う。
一種の呪文に聞こえてしまったのは私だけだろうか。

「「「…ちっ」」」

…ここの住民コワイ。
三人揃って舌打ちだした。

威圧感?迫力?半端ないよ、うん。
嫌なら拒否したらいいのに。

「やだ」

「あ゙?」

「だから、掃除とか面倒」

「…てめぇ、わかってんのか?」

「うん。…明海さんに言うよ?りっちゃん先生が苛めるんですー…って」

「…ちっ…わーったよ、今日は許してやるから」


え、まさかのりっちゃん先生の弱点は明海さんですか。
やばい…新しい発見した。

「ありがとう、りっちゃん先生」

満面の笑みをあげると、りっちゃん先生は眉間に皺を寄せて私を殺気の籠ったオーラで睨んできた。

こんな人に彼女がいるなんて…彼女さんも可愛そうに。

「羽音ちゃん凄いね」

また、関わりたくない人からの声が…。