そう考えて

また涙が出そうになるのを堪え

教室を出た瞬間だった。


「遅いわアホ」


いきなり声をかけられびっくりした

けど

扉にもたれ掛かる相手を見て

それ以上にびっくりした。


「え、なん、で……」

「理由はわからへんけど

泣きそうな彼女放っといて

先帰れるか」


そっと手が伸びてきて目尻に触れる。

ほんまに泣いてたんやな

と琉樹は苦笑していた。


「あんな

俺のせいやったら

ちゃんと話してほしいんやけど……」