日野君にバイバイを言った次の日はお父さんに頼んで風邪でお休みということにしてもらった。…下校時間になっても日野君は帰らなかったみたい。


その翌日、私はいつものつまらないHRを済ませりっちゃんの元へ向かう。

「りっちゃ~ん!!」
駆け寄るとりっちゃんは嬉しそうに近寄ってきた。

「風邪は治ったの!??」
風邪は嘘なのに心配そうに聞かれてしまった。

「うん!微熱だったんだけど悪化するといけないから休んじゃった!」
えへっとしてみせるとりっちゃんはホッとした顔になった。




ガラッと教室のドアが開き、日野君が入ってきた。

日野君のファン?みたいな子がキャーキャーと騒ぐ。


「野沢、ちょっといい?」


私は思いっきりしかめっ面をして
「嫌!ってかもう関わらないでっていったでしょ!?」
と言い放つ。


りっちゃんや周りのみんなは私と日野君を交互に見る。


「あれは野沢が一方的に言ったことだろ?俺は了解した覚えがない。」
私の腕を掴み教室から出ようとする。


私はそれを拒んだ。
「私は日野君のものじゃない!!明日なんて無責任な言葉、使わないでよ!!明日なんて‥明日が当たり前に来るって思っているなんて…ふぇっ‥」
私はしゃべりながら膝から崩れ落ちた。



ハッとしたりっちゃんが駆け寄ってくるのはわかったけれど私は教室から走り去った。