恋愛ごっこ



私は恋をした。

少しおっとりしていて電柱にぶつかったりとかするおっちょこちょいで‥でも優しくて頼もしい存在…。

そんな高野優太(こうのゆうた)くんを知れば知るほど好きになっていった。


ねぇ、優太?覚えてる?
私が優太と付き合って2か月過ぎたころに優太が『僕のこと名前で…優太って呼んで?僕、美佑ちゃんのことみゅーって呼びたい‥///』って言われて自然に呼べるようになるまでお互い名前を呼びあったよね?


ねぇ‥優太…私凄くあの時嬉しかった。‥ものすごく恥ずかしくもあったけど(笑)

優太に恋をして付き合って‥あの日は珍しくけんかしたよね。
私、あの頃凄く不安だった。
私は忌み子のような存在だと思っていたから優太に告白してオッケー貰えたとき夢だと思った。
優太が私に内緒で私の友達と出かけたことがあったでしょ?‥実はその場面丁度見ちゃったの。アクセサリーショップに入っていくところを…。
あぁ‥もうすぐ振られるんだろうなぁ~って思っちゃってあの日は優太の言葉が信じたかったけど信じられなかった。


だから優太から別れ話をされる前に自分から別れ話しようって。
優太、私とずっと一緒にいてくれるって言ったよね‥
信じられなかったからかな?優太、一人で遠くにいっちゃうんだもん。


優太はけんかして別れ話をして飛び出した私を引きとめようとしたところで事故にあった。



居眠り運転のトラックが急に飛び出してきて…


トラックの下敷きになって血まみれで…


私はおぼつかない手で救急車に連絡して‥救急車の人の話なんて聞いてなくて…とにかく場所や状態なんかを説明した‥と思う。


目の前で救急車に乗せられる優太を見ても‥
優太と一緒に救急車に乗っても‥
‥…現実なのかどうかわからなかった。


優太の携帯を使って優太の親にも連絡した‥と思う。


とにかく連絡しなきゃってわかる範囲連絡しなきゃって‥


連絡した後はとにかくがむしゃらに優太の名前を呼んだ。


私の声に答えるように優太は一瞬だけクシャって笑って‥息を引き取った。


…救急車の中で
…私の手に触れようとして
…優太は死んだ。


忘れもしない中2の夏休み入って19日目。
ありえないくらいの暑さで‥昨日まで一緒に部屋で雑誌呼んでアイス食べ合いっこして…


私はその日泣けなかった。‥いや、泣けなかった。