家に帰りつくと父親が晩御飯を作っていた。
泣きはらした真っ赤な顔でお父さんの後ろ姿に抱きつく。
「ねぇ、おとうさん‥私、怖い‥…大切な人ができるたび‥私が傷つけてる……‥お父さんごめんなさい…ほんとにごめんなさい……ほんとうにごめ…」
泣いても泣いても涙が溢れでてくる。
お父さんも私も愛する人との時間が止まっている。
お父さんは料理をする手を止め、私の方へ振り返った。
「大丈夫‥とーさんは美佑のことを怒ったりしてないぞ?とーさんは‥とーさんにとって美佑は大事な大事な娘だよ?泣くのを止めてご飯をたべよう…またご飯を食べなくなってはとーさん、心配するからな?」
コクコクと頷いてできたばかりのシチューを口に運ぶ。
なんにも味が分からなかったけど‥お父さんに心配をかけたくなかったから‥頑張って食べた。
私はお母さんの顔を一度も見たことがない。
お母さんは高齢出産だったらしい。
無理をしてお母さんは死に、私が生まれた。
お父さんは最初は私を時々叩いた。‥泣きながら叩いた。
私は耐えた。これは私が生まれてしまった罰なんだと――・・。

