「まだ残っている生徒は帰りなさーい」
指導部の先生が見回りにやってきた。
「…結局来なかったな…‥」
教室の電気を消して教室を出る。
「わっ!!な‥なんでこんなとこいんの!??」
体操座りで顔をうつぶせていて顔が見えないけど‥日野君…だよね?
私の声にビクゥゥと肩をあげ、しょんぼりした顔をあげる。
「‥…かえろ?」
最初に会った時と違って頼りなさ気に眉をハの字にして見上げられる。
…なんか今の日野君…‥かわいいかも//
日野君に手を差し伸べて
「うん‥一緒帰ろ?」
無意識のうちに行動してた自分に驚いた。
その日は仲良く隣に並んで一緒に帰った。
なんで日野君が私のクラスの教室前‥廊下でしょげていたのかはなんとなく…聞けなかった――。

