「玄関に置いてあったから、部活で使うのを忘れて行ったんじゃないかと思ったんだけど。」 琉依は少し顔を赤らめてそう言った。 そのためにわざわざこんな暑苦しい工業高校まで来てくれたのか。 「琉依、ありがとな。」 俺はニコッと笑って琉依にお礼を言った。 このスパイクを捨てる予定だったことは琉依には黙っておこう。 「べ別にあんたのために来た訳じゃないんだからね。ただ、玄関にそれがあると邪魔だっただけで…。」