通うことになって、
2日目の朝。



「ふぁ〜っ 久しぶりによく寝たわ」

朝起きると、朝食がすでにベットの横に準備されていた。

昨日聞いたが、ここは寮に入らなければならないのだそうで・・・
帰る場所のない私には丁度良かった。

それと、部屋は2人で一部屋とされて、
今、私の隣には知らない女の子がいる。


「ん〜ルージュは〜お菓子が好きですぅ・・・むにゃむにゃ・・・」


などと、寝言を言っているが、気にしないでおくわ。


朝食を終え廊下にでてみると、
知らない男の子に話しかけられた。


「おはよう。お前も一年か?」

「ええ、まぁ・・・」

「俺は、隣の部屋のエノアだ。
宜しくな!」

「う、うん! 私はアリス!
宜しく・・・うぅっ・・ひっく・・」

私がいきなり泣き始めたので、
エノアは戸惑った表情になった。


「え?!・・・あ、ごめん!
俺、なんか変なこと言ったか?」

「ぅ・・・ううん。
ただ・・・
嬉しくて・・・
こんな私と友達に
なってくれたことが・・・」


感激すぎてうまく話せないわ・・・

「あ・・・そうかそうか
良かったー、俺泣かせちゃったかと思 っ・・・」


「あー!!!
アリスちゃん泣かせちゃダメですぅ!
エノアをルージュは許しませんよ!」

「い、いや違うんだ!
ルージュ! 俺は泣かせてない!」

「言い訳ですかーっ?
ルージュ、嘘は嫌いですぅ!」

そんな2人のやり取りを見ていて、
疑問に思ったことがいくつか。

一つ、いつ、このルージュという女の子は起きたのか。

二つ、ルージュという女の子は何故私の名前を知っているのか。

三つ、ルージュとエノアはいつからこんなに仲が良いのか。
(昨日、入学してきたばっかりよね?!)

それをすべて聞いてみた。

すべて、ルージュという女の子が答えてくれた。

「えーっと、ルージュは朝6時に起きて 6度寝して、今に至るのですぅ。
アリスちゃんの名前を知ってるのは、
名札を見たからですぅ・・・
ルージュとぉ、エノアは幼なじみ
なのですぅ! あとー、ルージュって
呼んでくださいねー?」

ということだそうだ。
今の内容を話すのに、
三分もかかるとは・・・

さすが、ぶりっ子。

でも、よく見るととても可愛い。

ショートカットでくるんとカールした、キャラメルブラウンの髪に、真っ白な肌で、大きなピンク色の目が私を見つめている。

エノアの方は、整った顔立ちで、紫と黒が交互に合わさっている髪色の少し長めの髪を後ろに編み込み、耳にはピアスをしていて肌はルージュよりは白くはないが、それでも白い方で目は紫色・・・。


私の感想・・・

この学校には美男美女しか、
いないのですかー?!

はぁ〜ため息をもらす私にすかさずルージュが言う。

「アリスちゃん、具合が悪いのですか?
エノアのせいですか?
・・・エノアー!!!
エノアのせいですぅ!
アリスちゃん、具合悪そうですぅ!」

「いや、だから、何で全部俺のせいなん だよ・・・はぁ。」

「大丈夫よ、ルージュ。
具合悪くないから(笑)」

「本当ですかぁ?」

心配そうに私の目を覗き込むルージュに思わず笑顔で答えた。

「本当に大丈夫!」

笑ったのはいつぶりだろう・・・
なんだか、ここ好きだな〜

2人も、普通に接してくれて、
一緒に笑ってくれて、楽しい。


私・・・元の世界に・・・






帰りたくないわ・・・








おもわず、そう思ってしまった。