「よし…。」

家のドアをあける前にあたしは大きく

深呼吸をした。

「ガチャ…」

あいつの靴はある。

ゆっくりとリビングのドアをあけた。

けど、そこに姿はない。

きっと自分の部屋にいるんだ。

階段を登る時も、できるだけ音をたて

ないようにして登った。

あたしの部屋のドアを開けた。

「えっ…。」

「お帰り~♪」

「な、なんでここに…?」

「んー。お昼寝!」

「愛ちゃんもきてよっ!」

「い、いや……」

「来て。」

「いや…。」

「来いっていってんだろ!」

そういってあたしを無理矢理引っぱっ

てベットに倒された。

そして、強引に押し付けるようなキス

をしてきた。

「いやぁ!」

気づけばあいつを突き飛ばしていた。

「痛てぇ…。」

「お前さぁ…俺にそんなことしていい

わけ?」

「俺にメシも、家も助けられてんだぞ

?」

「バシッ…」

「いたっ…」

「俺に逆らうとどうなるかわかった?



それだけ言うとあたしの部屋から出て

いった。

「痛い…。」

あたしは顔を殴られて、唇から血が出

てる。

鏡の前の自分の姿を見るとなさけなく

て泣けてきた。