剛のあとについて階段を登り、剛の部

屋に入った。

部屋は、少し散らかってるけど家具も

黒で統一されている。

「少し散らかってるけど、テキトーに

座っといて。飲み物持ってくる。」

あたしは、床にあった雑誌を机に乗せ

ようとしたら、一枚の写真が落ちてき

た。

髪の長い、綺麗な女の人




と剛だ…。



「これって……

愛子、さん…?」

確か、あたしと住んでるやつに殺され

た…剛の彼女だった人だ……。

「トントントン……」

あたしは、急いで写真を雑誌の下に隠

して、床に座った。

「愛、オレンジジュースでいい?」

「あ、うん!ありがとう」

剛は、コーヒーを飲んでいる。

剛がホラー映画のDVDを機械に入れて

、あたしの隣に来て、座った。

「もっとこっち来たら?」

「えっ…。」

「じゃあ俺が。」

剛はあたしを膝の上にのせた。

「ちょ、ちょっと…。

あたし、重たいでしょ…。」

「ん?全然そんなことないけど。」

っていうか恥ずかしい…。

映画がはじまった。

あっ、でも…。

あたしホラーとかあんまり得意じゃな

かったんだ……。

でも、あたしのわがままで映画になっ

たんだし…

我慢しよう。

「愛はこういう映画大丈夫なのか?」

「う、ん…!」

「そっか、女の子ってこういうの苦手

かなって思ってたんだけどよかった~

!俺こういうの好きなんだー!」

「そ、そうなんだー!」

剛が好きなら、なおさら我慢しなくち

ゃ!







「男の人が家に帰ってきた。

天井の方からゴソゴソ…という音が聞

こえてくる。

『な、なんだ…。この音…。』

ここはアパートで、上の部屋の人は

この間なくなったばかりだったから。

『お、おいそこに誰かいるのか…?』

でも、返事はこない。

俺は、あえて気にせずベッドに入って

、寝ることにした。


『ん……?』

なんだか顔のあたりにだけ、冷たい風

が当たっているような…。

俺は、目を開けてみた。

『ぎ、ぎゃあーーーーーー!!!』

俺の目の前には、以前上の部屋に住ん

でいたおばあさんの顔だった。」