会計を済ませた俺はふと、田辺の方を

見た。

やっぱり、どこか愛子と田辺は似てる

…。

本を読んでいる姿や、

俺を真田って呼ぶかわいい声。

ふいんきも似ている。



そう思うと、いつも愛子にしていたよ

うに、おくってやりたくなった。

「田辺、送るよ」

「えっ?」

「一人は危ないから送る。」

「ありが、とう…。」

「おう。」


田辺の住んでる家へ向かって歩いてい

ても、全くしゃべらない田辺…。



それどころか、悲しい目をして、涙を

流している。

辛いなら、俺が助けてやりたい。

そう、おもった。

これは、恋だよな…。





でも、これは愛子への愛なのか…



田辺への愛なのか…


自分でも、わからなかった。






俺は、愛子と田辺を重ねあわせている

から田辺が好きなのかもしれない…。