「で?なんで雅ちゃんは、せっかくの美人なのに地味でダッサイ格好してるの?」

…………いきなり『ついてこい』とか言って嫌々、資料室に着いてきた矢先にこの質問かよ。


てか!!なんなのよ、コイツ!!

馴れ馴れしく『雅ちゃん』とか呼んじゃって!!

しかも、初対面の人に向かって『美人』って言うとか、本当に軽い人だ!!


「なんで、あなたに話さなきゃいけないんですか?」


絶対に変装理由なんか、話してたまるか!!
と、私は立川楓を睨み付ける。


「んじゃ、話さなきゃ全校生徒に変装バラすよ?」
とニッコリ笑う。

なっ!なんだと!?立川楓にバレただけでも最悪なのに、全校生徒…破滅だ。


「それは、酷いわ!脅しじゃない!」
心配だと着いてきてくれた莉子が、私を庇う。

莉子!!ナイス!!
と思ったのも、つかの間。

「なんで?」
なんでだと!?別に変装理由なんか、良いじゃん!

「言いたくないもんは言いたくない」
「言え」
「全校生徒にばらすよ?」
「それは、嫌だけど言いたくない」
「あー。龍大お前、助けろよ!」

いい加減、言わない私に、痺れを切らしたか、龍大という男に助けを求める。