だってこんなにかっこいい人だよ。




何で彼女がいないの?何で何で?なんで?




あたしは謎でいっぱいだった。


そしてそれからあたしたちは話を続けた。




あたしがいやいやここにきたこととか、警備員さんの会社の彼女特権のお話とか。




でもそういえば警備員さんの名前って・・・





「そういや、名前聞いてなかったよね?俺はこれ小日向陽(あきら)。27です」





あたしがそう思った瞬間に


警備員さんがそう言った。この人すごい。




あたしの思ったことがわかるんだ。


それにしても素敵な名前。





「素敵な名前。本当に太陽がいっぱいって感じで」




「そうかな。俺はあんまり気にいらねえけど」




「素敵ですよ。あたしは設楽すず。20歳です」




「すずちゃんか。それこそかわいい名前じゃないか」





そんなこと言われたの初めてだよ。




なんだかすごく安心できて


あたしはしんどかったことも忘れていた。




そんなとき小日向さんに無線で呼び出しがかかった。




小日向さんはもう行かないとと言って立ち上がる。これでおしまい?




せっかく出会ったのに。



あたしは勇気を出してみた。