「はいっ! これは、透也のね」
あたしは"Toya"と書かれた青いリボンのテディベアを透也に渡した。
透也はまじまじとそのテディベアを見る。
そしてすぐに吹き出した。
「これ、滲んでんじゃん」
慌てて見ると、確かに文字が滲んで横にのびていた。
「…きっ、気にしない気にしない!」
"Hana"は無事なんだけどなぁ……。
足先が冷たくなってきて、あたしはベッドに戻った。
透也は、青いリボンのテディベアを自分のケータイに付けた。あたしも、自分のケータイに赤いリボンのテディベアを付ける。
「…俺、今日一晩ここにいるわ」
「えっ」
透也は部屋に置いてある椅子を引っ張ってきて、ベッド際に置いて座った。



