ー…、事件は、この日の下校時間に起きた。

実は今日、友達をつくれなかった私は一人で下校。虚しい。

…っ明日こそは友達作るんだから…!!


そう硬く決意して、家の方向へと歩き出したその時だった。

「おい、お前。」

後ろで声が聞こえた。

けどあたしじゃないかもしれないし、振り向く事はせずにそのまま歩いていると

ガシッ

後ろから腕を掴まれる

「テメェだよっ!!聞いてんのかっ!?」

振り向くとそこには…


隣の男子、渉…?だったっけ?うん、渉が居た。


「なっ、何……!?」

あたしは焦り気味でそう答えた。


なっ、何なの!?今度は何!?

「ちょっと来い。」

それだけ言って、渉はあたしを引っ張る。

「渉、ちょっと強引すぎない?あいりちゃん困ってるよ。」

あ…、えっと隣の男子の
「泰介くん?」

するとニコリと笑って泰介くんは

「あ、覚えててくれたんだっ?ごめんね、渉がちょっとあいりちゃんに用事があるだけなんだ。いいかな?」

…ほんと、そうならそうと先に言ってよね。…それにしても泰介くん、優しいな…。

そう思いつつ、泰介くんと渉の後ろをついていった。