あたし、野井春 あいり。

今日からピッカピカの高校一年生なのです。

入学する高校は県内ワースト一位の高校だった。


だって、頭悪いから仕方ないよね。

入学式は昨日。今日からふつーに学校生活が始まる。

校門を抜けて、生徒玄関へと歩を進める。




それから階段を登って、自分の教室の前へ。既に登校して来ている人は多いようで、中からは話し声が聞こえる。


ウキウキしながらガラリ、と教室の扉を開けて、自分の席へ。

両隣はどうやら男子みたい。

仲良くなれるといいなぁ…。

あたし高校生になったらやりたい事いっぱいあるんだよねっ!!


友達いっぱい作って勉強頑張って…彼氏も欲しいなぁ。なんて。

もちろん優しくてスポーツのできる、イケメンって感じの人がいいよねっ!!


そんな事考えてたら、隣で椅子を引く音が聞こえた。

「あ、おはようっ!隣の席だね宜しくっ」

自分での精一杯の笑顔を作って、椅子を引き席に座った隣の男子に話しかける。


すっごく真面目そうだった。身長はあたしより少し高いくらいだしちゃんと黒髪。眼鏡も着用。制服はまったく着崩してない。



…けど次の瞬間、あたしの思考は停止した。


「はぁあ?ブスが、俺に話しかけんな。お前と隣とか最悪。早く席替えになんねぇかな。」


そう…言ったのだ。隣の男子は確かに。