家を出る? …連絡の一本もない。 瀬名のベースがないとあたしたちの音楽は成立しない。 ライレフじゃない。 それを一番わかってるのは…瀬名だ。 瀬名へ電話をかける。 出ない。 …出ない。 …ねぇ、お願い。 『もしもし…?』 「瀬名!?」 弱った声…。 『家、行ったんだろ?』 「うん…。 ごめん、勝手に。」 瀬名が乾いた笑い声をあげる。 『いいんだよ、別に。 てか、今日会える?』