ふとケータイを見ると着信が入っていた。 今から一時間以上も前。 …集中してて全然気が付かなかった。 「ソラ君。」 もしかして…ハル君のことかな? 「…ソラ君?」 『亜緒。 あのさ…。』 ごくりと喉が鳴った。 『あの…赤点ってさ30点 より下からだよね?』 「へっ?」 突拍子もない質問に変な声が出てしまった。 今までのあたしの緊張返してほしい…。 『え、違うの?』 「そうだよ! そうだけど…。」 受話器の向こう側でソラ君がクスクスと笑っている。