「そっか。
  ちゃんと勉強もしろよ。」

 「うん。」

真瞬君の手を掴む。

 「…亜緒?」

 「…同じだ。」

同じような場所にマメがある。

しっかりした男の人の手。

 「…どうした?」

 「なんでもない。
  よし、勉強しよっと。」

真瞬君はあたしを心配そうに見ながら渋々部屋を出て行った。

もうドラムを叩く音は聞こえない。

真瞬君も机に向かっているんだと思う。

 「んー…?」

教科書を見直したり、ノートをまとめたりしているだけですぐに夕食の時間だ。

ご飯を食べてからも勉強。

たまにハル君のことが頭をよぎる。