「説教かよ。
いらねーんだわそーゆーの。
じゃあね。」

ふざけんな。

ふざけんなよ…。

 「松岡っ!!!!」

振り向きざまに一発。
…と思ったけど寸止め。

亜緒の悲しそうな顔が脳裏に浮かんだから。

ヤツと同じことはできない。

同じになってはいけない。

 「もう二度と俺の前に現れるな。」

20秒ほど睨み合った。

ケータイが震えた瞬間に一瞬だけそっちに意識がいってしまった。

気づいた時にはみぞおちに蹴りを入れられ、俺はむせ返っていた。