『頼哉?
なんか心配かけちゃってごめんね。』

下校途中の亜緒からの電話。

 「亜緒が大丈夫ならよかった。」

電話に出て歩き出した。

人にぶつからないように十分気をつけていた。

…でも相手がぶつかってきたら意味なんてない。

 「あ…すみません…。」

…あぁ、終わった…。

 「よぉ。
電話の相手、誰?」

ケータイを持つ左手をやけにたくましい腕で掴んだヤツ…。

 「へぇ…治ったんだ?」