翡波があたしの隣で鼻で笑うのが聞こえた。

 「あ!こら、翡波!
  今馬鹿にしただろ?」

 「馬鹿にしてないってば。
  ただ、最上級のアホだなぁって。」

翡波の言葉に瀬名が吹き出した。

 「亜緒ー。
  なんとか言ってやってくれよ…。」

なんかソラ君すごく元気なくしてる…。

 「ああ…ソラ君らしいんじゃないかなぁ。」

 「フォローになってない!!」

ソラ君が翡波のギターを担いだ。

 「それ、俺のなんだけど…。
  てか、いきなり歌いだすのやめ…。」

やっぱソラ君の歌声は綺麗だ。

…言葉を失うくらい…綺麗。

 「あー、すっきりした。」

 「…そうですか…。」

少し呆れたような真瞬君の笑顔。