校長室の扉が勢いよく開いた。

 「みんな!!
  大丈夫?」

 「裕也君!
  大丈夫なわけないしょ!!
  もう理解不能!
  なに、スカウトって!!」

ソラ君が噛み付くように井上先生に問いただした。

 「落ち着いて、ソラ。
  伊藤さんも言ってたでしょ?
  決めるのはソラ達って。」

瀬名が顔面を抑えてソファに座り込む。

 「…デビュー…か。
  なんか夢みたいだ。」

…ああ、そっか。

瀬名にとって音楽は…。

 「ここであーだこーだ言ってても
  仕方ないから、放課後にまた集
  まろう。
  自分の考え作ってこいよ。」

 「自分の考え?」

ソラ君がきょとんとした顔で聞く。

 「デビューしたいか、したくないか。」

そう。

その2択しかないんだ。