「は……」
庄次の手持ち札、一枚。
絵柄は……ジョーカー。
「黒河決定ー!行ってこいよー!」
「ってまじかよ!」
今ごろになって庄次は敗けを感じとった。
「ほら、行ってこいって」
「大丈夫。黒河、お前クラスで一番女子人気あるから」
「はぁ? もういい、行ってくる」
「はは、頑張れー」
ちょっと皮肉っぽく言う男子に腹をたてながらも、ずんずんと足を進めた。
「あ」
ちょうど教室に綾芽が入ってきた。すこしだけ顔を歪ませているように見える。
綾芽が席につき、自らの本を開いてそれを読もうとした。
「新城」
庄次は目の前の女子の名を呼んだ。当然、相手は振り向く。
「なに、黒河」
不機嫌そうにそう言ったボーイッシュ少女綾芽。きっと日頃の喧嘩で仲は相当悪いようだ。
「俺と付き合え」
そう、淡々と庄次は言った。なんの気持ちもこもっていない、平淡な口調
で。
「……はっ」
綾芽は、しばらく目を見開いていたが、やがて鼻で笑うように庄次を見た。
「何だよ」
「いや、お前も罰ゲームか、と思って。大変だねぇ、男子も」
『も』という単語に引っ掛かるものがあった。
きっと綾芽は、さっきの女子に話されていたのだろう、罰ゲームのことを。
「……返事は」
「ノー」
「……」
「と、そう言いたいところだけど……」
「?」
『ノー』。その言葉に誰もが頷いただろう。にも関わらず綾芽は言い換えた。
「ここで断ってお前に『予想通りだ』って言われるのは気にくわないからね。ここはイエスと言っておこう!」
「……はっ、上等だこのおとこ女!」
周りの誰も、さらには告白した庄次自身も予想だにしていなかったことが起きた。
「これから俺はてめぇを彼女と呼ぶんだな、新城!!」
「私はお前を彼氏と呼ぶんだね、黒河!!」
さながら喧嘩のようにそれは始まってしまったのだ。
庄次の手持ち札、一枚。
絵柄は……ジョーカー。
「黒河決定ー!行ってこいよー!」
「ってまじかよ!」
今ごろになって庄次は敗けを感じとった。
「ほら、行ってこいって」
「大丈夫。黒河、お前クラスで一番女子人気あるから」
「はぁ? もういい、行ってくる」
「はは、頑張れー」
ちょっと皮肉っぽく言う男子に腹をたてながらも、ずんずんと足を進めた。
「あ」
ちょうど教室に綾芽が入ってきた。すこしだけ顔を歪ませているように見える。
綾芽が席につき、自らの本を開いてそれを読もうとした。
「新城」
庄次は目の前の女子の名を呼んだ。当然、相手は振り向く。
「なに、黒河」
不機嫌そうにそう言ったボーイッシュ少女綾芽。きっと日頃の喧嘩で仲は相当悪いようだ。
「俺と付き合え」
そう、淡々と庄次は言った。なんの気持ちもこもっていない、平淡な口調
で。
「……はっ」
綾芽は、しばらく目を見開いていたが、やがて鼻で笑うように庄次を見た。
「何だよ」
「いや、お前も罰ゲームか、と思って。大変だねぇ、男子も」
『も』という単語に引っ掛かるものがあった。
きっと綾芽は、さっきの女子に話されていたのだろう、罰ゲームのことを。
「……返事は」
「ノー」
「……」
「と、そう言いたいところだけど……」
「?」
『ノー』。その言葉に誰もが頷いただろう。にも関わらず綾芽は言い換えた。
「ここで断ってお前に『予想通りだ』って言われるのは気にくわないからね。ここはイエスと言っておこう!」
「……はっ、上等だこのおとこ女!」
周りの誰も、さらには告白した庄次自身も予想だにしていなかったことが起きた。
「これから俺はてめぇを彼女と呼ぶんだな、新城!!」
「私はお前を彼氏と呼ぶんだね、黒河!!」
さながら喧嘩のようにそれは始まってしまったのだ。

