† Lの呪縛 †

翌日、オリヴィアはノエルと共にエリオットの診療所へと足を運んでいた。


椅子に座っているオリヴィアは、頭を動かしキョロキョロとあたりを見回している。


ノエルは愛おしそうにオリヴィアを見つめていた。


ーコンコンコン。


ドアのノックの後、エリオットが部屋に入ってきた。



「待たせてすまないね」



オリヴィアは慌てて椅子から立ち上がった。



「宜しくお願いします」



勢いよく頭を下げると、エリオットは「ははっ」という笑い声を漏らした。


ノエルはそんなオリヴィアも可愛くてしかたがなかった。



「楽にしていいんだよ。 さぁ、オリヴィア、椅子に掛けて」

「は、はい」



ノエルは、それでも肩の力が抜けないオリヴィアの手を取り、椅子に座る様促した。


オリヴィアの心臓は煩く動いていた。


医者に掛かるのは初めてな上に、叔父と言えど、エリオットと顔を合わせたのはこれでたったの二度目。


平静を装おうとも、不安は隠しきれていなかった。



「先ずは心臓の音を聞かせてもらうね」

「え? 心臓の、音を……?」

「そんなに怖がらなくて大丈夫だよ。 痛くないから大丈夫」