† Lの呪縛 †

クレアの両親、フォスター子爵夫妻の死は大々的に新聞に取り上げられた。


【フォスター子爵家惨殺】という見出しで新聞の一面を大きく飾った。


見出しの通り、フォスター子爵夫妻だけではなく、屋敷に居たメイドや執事といった全ての者が殺された。


正体不明の捕まっていない犯人に、皆恐怖に震えた。


フォスター子爵家に対し、根も葉もない噂も飛び交う始末。


恨みを買う様な事を裏でしていたのではないか、ギャングに目をつけられていたのではないか……など、とにかく色んな噂話が広がった。


両親を喪った上に、そんな噂を耳にしたクレアは、悲しみに打ちひしがれ、明くる日も明くる日も涙を流し続けた。


そんなクレアをダグラスは毎日献身的に支えていた。



「私を殺すのか?」

「今すぐにでも殺してやりたい。 だが、感情任せにそんな事をする程愚かではない」

「賢明な判断だな。 お前に私は殺せない。 人間はいつでも愚かな生き物だ。 だからこそ、人間という生き物は面白いのだろうな」

「お前は我々の味方なのか? それとも敵なのか?」

「私はお前たちの味方でも敵でもない。 オリヴィアの味方だよ」



ダグラスは男性から手を離し拳を握った。