† Lの呪縛 †

まだ恋をした事がないというオリヴィアの言葉に、ノエルは内心ホッとしていた。


自分がオリヴィアの初めての男になれるかもしれない。


その希望が大きくなり始めた。


ダグラスとクレアは顔を見合わせ、そしてオリヴィアに温かい視線を送った。



「恋をするとね、相手の事を考えるだけでドキドキしたり、胸が苦しくなったりするの」

「ドキドキ? 苦しいの?」

「そうよ。 女の子はね、愛する人の傍にいる時が一番綺麗なのよ」



クレアの言葉にオリヴィアはキティの事を思い出した。


初めて会った時の笑顔も眩しかったが、アレンと一緒にいる時のキティは更に輝きを増していた。


ドキドキする気持ちがどういうものなのかはよく分からないけれど、好きな人の傍にいる時が一番綺麗だという事は、少しは理解できたような気がした。



「オリヴィア、話の腰を折ってしまってすまないが、 先日話をしていた通り、今日の昼頃、お前の体の検査をしてくれるエリオットが訪ねてくる」

「うん……」

「そんな顔をせずとも大丈夫だ。 私の弟でもあるのだから、緊張する必要もない」

「そうだよ、オリヴィア。 僕もついているから。 ね?」



ノエルの言葉に安心した笑みを浮かべるオリヴィア。


いつも傍にいてくれるノエルには、安心感を抱いている。